問題
・SU薬は膵臓の( )細胞の( )受容体に結合して( )チャネルを( 開 or 閉 )口させて血糖( 依存 or 非依存 )的にインスリン分泌を促進する。
・特徴的な副作用として体重の( )がある。
解答
・SU薬は膵臓の(β)細胞の(スルホニルウレア(SU))受容体に結合して(ATP感受性K(KATP))チャネルを(閉)口させて血糖(非依存)的にインスリン分泌を促進する。
・特徴的な副作用として体重の(増加)がある。
ポイント
・作用機序でのひっかけには注意すること。開閉するチャネルや感受性、血糖依存性にはとくに注意する!
〜作用機序〜

通常時はKATPチャネルが開いている。

血糖値が高いと、ATPが大量に作られてKATPチャネルが閉じる。細胞内にKが溜まって細胞内の電位が高くなり、電位依存性Caチャネルが開く。結果、流入したCaがインスリンの分泌を促進する。

SU薬は、糖の量に関係なくKATPチャネルを遮断してインスリンを分泌させる。
・SU薬は発売時期で3つに分類されるが、覚えておくのは第二世代、第三世代だけでよい!
第一世代
- アセトヘキサミド
- グリクロピラミド
- クロルプロパミド
現在臨床ではほとんど使われていないため、覚えないくても良い。
第二世代
- グリベンクラミド
- グリクラジド
作用時間を長くした一方で、低血糖リスクも高い。
第三世代
グリメピリド
効果がマイルドで、インスリン抵抗性改善作用も併せ持つ。
臨床現場では?
・2型糖尿病の治療薬であり、1型糖尿病には禁忌である。
・現在では臨床で第一選択薬として用いられることはほとんどない。
・DPP4阻害薬やメトホルミン、SGLT2阻害薬などの組み合わせで効果不十分のときに用いられることが多い。
・強力な血糖効果作用ではあるが、体重増加というデメリットもあるため、使用者への十分な配慮が重要な薬剤。
・専ら使われているのはグリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリドである。
・グリベンクラミドに関してはSU受容体の膵臓への選択性が低いため、狭心症患者などへの使用には特に気をつける。(その他の項参照)
その他
〜虚血プレコンディショニング〜
心臓が短時間の虚血状態に晒されると、虚血耐性を獲得する。
2回目以降の虚血状態では心収縮力を押さえて虚血部位を小さくしようとする。
この流れを虚血プレコンディショニングといい、いわゆる自己防衛反応のこと。
実際、虚血状態(狭心症発作)を起こした患者が起こした心筋梗塞は、梗塞部位が小さいことが知られている。
〜SU受容体と虚血プレコンディショニング〜
虚血プレコンディショニングには心筋細胞のKATPチャネルの開口が関与している。
(心臓は膵臓と異なり、ATPが豊富にあるため通常時は閉じている。虚血状態だと糖が行き届かずATPが不足するため、開口するという仕組み。)
膵臓と同様に、心臓のKATPチャネルにもSU受容体がくっついている。
グリベンクラミドは膵臓のSU受容体への選択性が低く、心臓のSU受容体にも反応する。
すなわち、グリベンクラミドを使うと、虚血時にKATPチャネルが開かないため、虚血耐性が減弱する。
結果、心臓へのダメージが大きくなり、心血管死の増加につながってしまうと考えられる。
出典


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