利尿薬③(ループ利尿薬)

薬剤師国家試験

問題

・ループ利尿薬のステムは(   )または(   )である。

・ネフロンのヘンレループ(   )脚にある(   )を阻害することで利尿作用を示す。

難)ループ利尿薬は生体内で(   )と結合しないと薬効を発揮しない。

難)トラセミドは抗(   )作用も有しており、他のループ利尿薬と比較して(   )血症のリスクが低下する

・ループ利尿薬をジギタリス製剤と併用する際は(   )血症に注意する。

解答

・ループ利尿薬のステムは(〜セミド)または(〜タニド)である。

・ネフロンのヘンレループ(上行)脚にある(Na-K-2Cl共輸送体(NKCC2))を阻害することで利尿作用を示す。

・ループ利尿薬は生体内で(アルブミン)と結合しないと薬効を発揮しない。

・トラセミドは抗(アンドロゲン)作用も有しており、他のループ利尿薬と比較して(低カリウム)血症のリスクが低下する。

・ループ利尿薬をジギタリス製剤と併用する際は(低K)血症に注意する。

ポイント

チアジド系利尿薬とひっかけてくる事が多いので、相違点をしっかりとおさえておくこと!(臨床現場では?の項を参照)また、疾病や薬剤学でも頻出の薬剤なので、薬物動態的特徴などもおさえておく!難しい範囲なので何度も繰り返し復習すること!

薬物動態的特徴

  • アルブミン結合率が高い。(結合型が薬効を発揮!)
  • ※低アルブミン血症の患者ではアルブミンも同時投与していく。
  • サイアザイド系と同様に近位尿細管の有機アニオン輸送体(OAT)から分泌されて利尿効果を発揮。

臨床現場では?

うっ血性心不全などで頻繁に用いられる。

・糖尿病性腎症やネフローゼ症候群などの腎機能障害による浮腫には第1選択となる。(難治性の場合にはサイアザイドを併用)

・体液量減少によるRAA系の活性化が強力なため、可能な限りRAA阻害薬(ACEI、ARBなど)を併用することが推奨される。(とくに慢性心不全)

トラセミド抗アンドロゲン作用を有しており、MR遮断薬に似た作用も有するため、他のループ阻害薬と比較して低K血症のリスク小さくなる。

・使い方の注意点はサイアザイド系利尿薬と似ている。

チアジド系血尿薬との共通点

  • K血症に注意(ジギタリス製剤との併用での不整脈、甘草と併用でリスク増大するため注意)
  • Na血症に注意(デスモプレシン併用はリスク増大するため禁忌
  • 尿酸値の上昇に注意。(チアジド系利尿薬のページ参照)
  • NSAIDsとの併用で効果減弱(チアジド系利尿薬のページ参照)
  • 腎機能の悪い患者さんではとくに代謝性アルカローシスの頻度が高いので注意(その他の項参照)
  • 体液量は減少するのでRAA系は強力に活性化させることに注意

チアジド系利尿薬との相違点

  • サイアザイド系利尿薬と比較して、利尿効果は強いが、降圧効果は弱い
  • ループ利尿薬は遠位尿細管にある緻密斑の機能を抑制するため、糸球体濾過量を変化させない(その他の項を参照)。その結果、チアジド系利尿薬と異なり腎機能障害の程度に関係なく使用できる
  • ループ利尿薬は尿の濃縮力を低下させるため、副作用頻度が少ない。(その他の項参照)

その他

〜緻密斑とろ過量〜

糸球体と遠位尿細管は接しており、接触部分には「緻密斑」と言われる遠位尿細管内のNaとClの濃度を感知する、センサーの役割をしている細胞がある。

尿細管内の濃度によって糸球体でのろ過量の調節を行っている。

緻密斑にも「Na-K-2Cl共輸送体」が存在し、センサーの役割を担っている。

ループ利尿薬はこの「Na-K-2Cl共輸送体」も阻害するので緻密斑のセンサーが鈍くなり、ろ過量の調節が弱くなる。

そのため、ループ利尿薬はろ過量(腎機能)に関係なく利尿効果を発揮できる。

〜尿の濃縮力〜

尿の濃縮は腎髄質の浸透圧でコントロールされる。

ヘンレループ上行脚は腎髄質に存在し、「Na-K-2Cl共輸送体」は電解質の移動をコントロールすることから、腎髄質の浸透圧をコントロールしていると言っても過言ではない。

ループ利尿薬はそこを阻害するため、腎髄質の浸透圧が弱くなり、結果、体内に水を戻す力も弱くなる。

その結果、尿が濃くならない。

一方でサイアザイド系利尿薬は腎皮質の遠位尿細管に作用するため、髄質の浸透圧に影響しない。

その結果、水を生体内に戻す力は維持されるため、生体内に残る水分量がループ利尿薬と比較して多くなる。

体内の電解質濃度がより薄くなりやすいため、副作用が出やすい。

〜代謝性アルカローシス〜

本来生体内においてClとHはセットで移動する。

Clの尿中排泄により、生体内のH+も排泄される。

結果、PHのバランスを取るために下記の重炭酸緩衝系は左へ動く。

H+ + HCO3- ⇄ HCO3 ⇄ HO + CO2 

重炭酸イオンが増えすぎると、代謝性アルカローシスになる。

腎機能が悪いと、重炭酸イオンが排泄しにくくなるので頻度が高くなる。

参考

第2章・各種利尿薬の特徴と投与法|腎臓病診療の最先端特集Vol.32|腎臓ネット
外来で利尿薬は使い道があるでしょうか。そんなに重症の心不全の患者さんは診ないのですが | 診療のヒント100 | 循環器最新情報 | 公益財団法人 日本心臓財団
(description)サイト共通 ユーザ用
第1章・尿濃縮のメカニズムと利尿薬の作用部位、そして生じるそれぞれの電解質(血中および尿中)およびRAA系の変化|腎臓病診療の最先端特集Vol.32|腎臓ネット
フロセミド錠10mg「武田テバ」/ *フロセミド錠20mg「武田テバ」/ *フロセミド錠40mg「武田テバ」

https://www.marianna-kidney.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/2012603.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました