問題
・カリウム保持性利尿薬は( )( )( )の3種類の薬剤がある。
・エプレレノンやスピロノラクトンはネフロンの( )に存在する( )受容体を遮断することで、( )を阻害し、利尿作用を示す。
・スピロノラクトンは( )受容体にも親和性があるため、長期使用による( )発現に注意する。
・難)トリアムテレンはネフロンの( )と( )に存在する( )を遮断することで利尿作用を示す。一方で( )拮抗作用も有するため、( )欠乏患者への投与に注意する。
解答
・カリウム保持性利尿薬は(エプレレノン)(スピロノラクトン)(トリアムテレン)の3種類の薬剤がある。
・エプレレノンとスピロノラクトンはネフロンの(集合管)に存在する(ミネラルコルチコイド(アルドステロン))受容体を遮断することで、(Na-K交換系)を阻害し、利尿作用を示す。
・スピロノラクトンは(プロゲステロン)受容体にも親和性があるため、長期使用による(女性化乳房)発現に注意する。
・トリアムテレンはネフロンの(遠位尿細管)と(集合管)に存在する(Naチャネル)を遮断することで利尿作用を示す。一方で(葉酸)拮抗作用も有するため、(葉酸)欠乏患者への投与に注意する。
ポイント
・カリウム保持性利尿薬は2種類存在すること、それぞれの薬剤名を押さえておく!
- MR(ミネラルコルチコイド受容体)遮断薬:スピロノラクトン、エプレレノン、エキサセレノン
- Naチャネル遮断薬:トリアムテレン
・ループ利尿薬やサイアザイド利尿薬とは異なり、利尿薬の中でもカリウムを排泄しないことを押さえておく!
・どの利尿薬にも共通だが、利尿作用の負のフィードバックにより血管拡張作用のあるPGE2の分泌が増える。そのため、PGE2産生を阻害するNSAIDsと併用すると利尿効果が減弱するという点も狙われやすい!(その他の項を参照)
臨床現場では?
・降圧薬としては、高アルドステロンによる高血圧や難治性高血圧症に多く用いられる。
・降圧作用は弱く、利尿薬として心保護作用を期待して用いられることが多い
・肝硬変による腹水治療には第1選択薬。(主にスピロノラクトン)
・サイアザイド系利尿剤やループ利尿剤などの使用によって生じる低カリウム血症を予防する併用剤としても用いられる。
・スピロノラクトンの副作用が出た(リスクがある)場合、こうした作用が少ないエプレレノンやエキサセレノンが用いられる。
・エプレレノンが用いられない、中等度以上の腎機能障害患者や糖尿病性腎症においてはエキサセレノンが用いられる。
・腎機能の低下により高K血症を起こしやすくなるので定期的な採血でカリウム値をモニタリングする。(最近では末期腎不全にあっても心保護作用の有用性からカリウム値のモニタリングを条件に使用されている。)
・トリアムテレンは先天的に尿細管Naチャネル作用が亢進しているLiddle(リドル)症候群に用いられる。
その他
利尿薬とPGE2:利尿薬を用いると排泄される水分量が多くなる。ホメオスタシスにより、身体は水分量を少しでも残したい方向に働く。血圧を下げて糸球体濾過量を減らそうとする。血圧を下げる方法の1つに血管の拡張がある。その作用を有する物質の1つにPGE2がある。多くの利尿薬はこのPGE2の産生量が増える。
肝硬変による腹水:血中のカリウムの排泄しないため、低カリウム血症によるアンモニア産生を増強しない点が評価されており用いられている。(他の利尿薬はカリウムも排泄してしまうため)
参考




コメント