問題
・グリミン系の薬剤として、本邦では( )が発売されており、血糖(依存・非依存)的インスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用を併せ持つ薬剤である。
・難)イメグリミンは( )遺伝子発現増加によってインスリン分泌を促進し、( )の競合阻害によってインスリン抵抗性を改善する。
解答
グリミン系の薬剤として、本邦では(イメグリミン)が発売されており、血糖(依存)的インスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用を併せ持つ薬剤である。
・難)イメグリミンは(NAMPT)遺伝子発現増加によってインスリン分泌を促進し、ミトコンドリア電子伝達系の(呼吸鎖複合体Ⅰ)の競合阻害によってインスリン抵抗性を改善する。
ポイント
新しい薬剤なので、問題文程度のレベルで、簡単に名前と作用機序を押さえておく程度でよい。
もっと知りたい!方は下記に作用機序をまとめてみましたのでご参照ください(笑)
〜作用機序(概論)〜
大きく2つあると考えられています。
- NAMPT遺伝子発現の増加
- ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰの競合阻害
えっ?どういうこと?と思うかもしれませんが、おおまかに
- →インスリン分泌促進
- →インスリン抵抗性改善
と思っていただいて差し支えないです。どちらもミトコンドリアの機能を回復する作用です。
それを前提に詳細な作用機序をご紹介します。
〜作用機序①(インスリン分泌促進作用)〜

2型糖尿病患者は膵β細胞のミトコンドリアの機能が低下してるため、ATP産生量が低下している。その結果、インスリン分泌が低下する

ツイミーグはミトコンドリアの機能を回復させてATP産生量を戻す。その結果、インスリン分泌量が増加する。
ここでのミトコンドリアの機能の回復は主に「1の作用」がメインです。
NAMPT遺伝子発現増加→NAD+の増加→解糖系亢進→ATP産生亢進
ちなみに、NAD+増加はサルベージ経路を介した合成と考えられている。
また、NAD+自体も細胞内Ca濃度を上昇させる作用があり、結果、インスリン分泌を促進させるとも考えられています。
〜作用機序②(インスリン抵抗性改善)〜
こちらはメトホルミンと似たような作用機序です。
ここでは問題として掲載させていただきましたが、メトホルミンと同様にミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰを阻害して、AMPKを増加させ、糖新生抑制やGLUT4発現増加を介したインスリン抵抗性改善作用を示します。
〜作用機序③(膵臓保護作用)〜
因みに2の作用は膵臓内でも作用します。
ここで疑問なのが、1の作用で解糖系やクエン酸回路でATP産生を亢進する一方で、2の作用では電子伝達系ではATP産生を抑制する方向にはたらきます。
相反してない?どっちが強いの?
ということですが、どうやらNAMPT遺伝子発現増加作用のほうが強いらしいです。
その結果、膵臓では、電子伝達系によって発生する種々の活性酸素の発生が低下させながら、しっかりとATP産生を亢進できると考えられています。
有害ゴミを出さないで、エネルギーを生成をしている状態です。
その結果、膵β細胞の寿命が伸び、膵臓保護作用を有すると考えられています。
臨床現場では?
・発売されてまだ間もないので現在は2型糖尿病の薬物治療が難渋されている例への使用が多い。
・2型糖尿病の病態を問わずに効果があること、特別に注意する副作用も現在はないため、後々第一選択薬となっていくケースが想定される。
参考




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