問題
・炭酸脱水酵素阻害薬のステムは( )である。
・利尿薬としての適応があるのは( )である。
・難)アセタゾラミドは腎臓ネフロンの( )に存在する( )を阻害し、( )の産生を抑制することで、間接的に( )交換系のはたらきを抑える。結果的に( )の再吸収が阻害されることで利尿効果を示す。また、副次的に( )の排泄と( )の再吸収も阻害され、尿は( 酸orアルカリ )性に、体液は( 酸orアルカリ )性に傾く。そのため、注意すべき副作用に( )がある。
・点眼薬は( )治療薬として用いられる。
・ドルゾラミドは( )中の( )型炭酸脱水酵素を特異的に阻害し、( )水の産生を減少させることで眼圧を下げる。
解答
・炭酸脱水酵素阻害薬のステムは(〜ゾラミド)である。
・利尿薬としての適応があるのは(アセタゾラミド)である。
・難)アセタゾラミドは腎臓ネフロンの(近位尿細管)に存在する(炭酸脱水酵素)を阻害し、(H+)の産生を抑制することで、間接的に(Na-H)交換系のはたらきを抑える。結果的に(Na+)の再吸収が阻害されることで利尿効果を示す。また、副次的に(H+)の排泄と(HCO3-)の再吸収も阻害され、尿は(アルカリ)性に、体液は(酸)性に傾く。そのため、注意すべき副作用に(代謝性アシドーシス)がある。
・点眼薬は(緑内障)治療薬として用いられる。
・ドルゾラミドは(毛様体)中の(Ⅱ)型炭酸脱水酵素を特異的に阻害し、(眼房)水の産生を減少させることで眼圧を下げる。
ポイント
・炭酸「脱水素」酵素阻害薬ではなく炭酸「脱水」酵素であることに注意!
・利尿作用は弱く、緑内障治療薬として用いられることの方が多い。
・作用機序が複雑だが、腎臓にせよ、目にせよ、Naと水が一緒に移動することに注目し、
H+の生成抑制→Na-H交換系が動かない→Naが移動できない→水の移動も制御される
という共通の作用機序であることを押さえておく!(下図(腎臓)を参照。)



・尿中のHCO3-も増加し、結果的にNaHCO3が増加するため、尿がアルカリ性に傾くことも頻出なのでおさえておくこと!
〜緑内障治療薬として〜
・炭酸脱水酵素は7種類のアイソタイプがあるが、そのうちのⅡ型は毛様体に多く存在し、眼房水生成を担っている。
・そこを標的に作られたのがドルゾラミドとプリンゾラミドである。
臨床現場では?
・アセタゾラミドは他の利尿剤で効果不十分の際に用いられることが多い。
・アセタゾラミド以外は点眼薬のため、利尿薬の適応がない。(アセタゾラミドは注射/内服。)
・点眼薬で用いられるドルゾラミドやプリンゾラミドはβ遮断薬(チモロール)との配合剤も多く用いられる。
・ドルゾラミドは薬液が酸性のため、点眼直後に刺激がある場合がある。
・代謝性アシドーシスの副作用を逆手にとって、呼吸量を増加させるという観点から、睡眠時無呼吸症候群などにも適応がある。(その他の項参照)
・呼吸量増加をという観点から酸素吸入量増加を期待して高山病の予防薬(治療薬)として使うことがある。
その他
代謝性アシドーシス:
腎臓の炭酸脱水酵素を阻害し、血液中のH+が多くなる結果、pHのバランスを取るために下記の重炭酸緩衝系は右へ動く。
H+ + HCO3- ⇄ H2CO3 ⇄ H2O + CO2
すると、生体内CO2濃度が上昇する。
身体はCO2を外に出すため、呼吸中枢を活性化させて過呼吸を引き起こす。
参照


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